MQL4(MT4) OnStartの使い方

OnStartはMetaTrader 4 (MT4) プラットフォームのMQL4言語において、主にカスタムインジケータやスクリプトで使用されるエントリーポイント（開始点）関数です。OnStart関数はスクリプトが実行されるときに一度だけ呼び出され、スクリプトのメインロジックを含む部分です。この関数は、特に一回限りの操作や計算を実行するスクリプトで使用されます。

OnStart関数の基本形式

void OnStart()
{
    // ここにスクリプトのコードを記述します
}

使用例：単純な注文送信スクリプト

以下の例は、OnStart関数を使用して特定の通貨ペアに対して市場注文を送信する簡単なスクリプトです。

void OnStart()
{
    // EURUSDに対して0.1ロットの買い注文を送信
    string symbol = "EURUSD";
    double lotSize = 0.1;
    double price = Ask; // 現在のAsk価格を取得
    int slippage = 2;
    double stopLoss = 0; // ストップロスは設定しない
    double takeProfit = 0; // テイクプロフィットは設定しない

    int ticket = OrderSend(symbol, OP_BUY, lotSize, price, slippage, stopLoss, takeProfit, "My first script order", 0, 0, clrNONE);

    if(ticket < 0)
    {
        Print("注文送信に失敗しました。エラー番号: ", GetLastError());
    }
    else
    {
        Print("注文送信成功。チケット番号: ", ticket);
    }
}

注意点

• エラーハンドリング：注文送信(OrderSend)が失敗した場合、GetLastError関数を使用してエラーコードを取得し、失敗の原因を特定します。
• 価格の取得：市場注文を送信する前に、最新のAsk（買い注文の場合）またはBid（売り注文の場合）価格を取得することが重要です。
• スリッページの設定：スリッページは、注文が実行される価格と要求された価格の最大許容差を指します。市場のボラティリティが高い時に注文滑りを防ぐために重要です。
• OnStartの使用シナリオ：OnStart関数はスクリプトに特有のもので、EA(Expert Advisor)やカスタムインジケータでは使用しません。EAではOnInit, OnDeinit, OnTickなどの他のイベントハンドラが使用されます。

OnStartを使用するスクリプトは、MT4のナビゲータウィンドウから直接実行することができ、分析や取引の自動化に役立つツールや一回限りの操作を素早く実行するのに適しています。