MQL4(MT4) iStdDevOnArrayの使い方

概要

iStdDevOnArrayは、MetaTrader 4（MT4）プラットフォームで使用されるMQL4プログラミング言語の関数で、指定された配列の標準偏差（Standard Deviation）を計算します。この関数は、指定された移動平均（MA）に基づいて市場のボラティリティを測定するために使用されます。

関数の基本形式

double iStdDevOnArray(
   double       array[],          // データが格納された配列
   int          total,            // 要素数
   int          ma_period,        // 移動平均の期間
   int          ma_shift,         // 移動平均のシフト
   int          ma_method,        // 移動平均の計算方法
   int          shift             // シフト
);

各引数の説明：

• array[]: 計算するデータが格納された配列。
• total: 配列の要素数。
• ma_period: 移動平均の期間。
• ma_shift: 移動平均のシフト（バープレース）。
• ma_method: 移動平均の計算方法（MODE_SMA, MODE_EMA, MODE_SMMA, MODE_LWMA）。
• shift: 計算するバーのシフト（0は最新のバー、1は1つ前のバー）。

使用例

以下は、20期間の単純移動平均（SMA）を基準に標準偏差を計算する例です。データは適当な価格データ配列から取得します。

void OnTick() {
    double prices[];
    int period = 20;
    int total = 100;

    // 配列のサイズを設定
    ArrayResize(prices, total);

    // 適当な価格データを配列に格納（ここでは例としてCLOSE価格を使用）
    for(int i = 0; i < total; i++) {
        prices[i] = Close[i];
    }

    // 標準偏差を計算
    double stdDev = iStdDevOnArray(prices, total, period, 0, MODE_SMA, 0);
    Print("Standard Deviation: ", stdDev);
}

StdDevとは

標準偏差（Standard Deviation）は、データセット内の各値が平均値からどれだけ離れているかを示す統計的な測定値です。金融市場では、標準偏差を使用して価格の変動（ボラティリティ）を評価します。高い標準偏差は価格の変動が大きいことを示し、低い標準偏差は価格の変動が小さいことを示します。トレーダーは、標準偏差を利用して市場のリスクを評価し、取引戦略を立てる際に役立てます。

注意点

• 計算コスト: iStdDevOnArray関数は計算コストが高いため、頻繁に呼び出すとパフォーマンスに影響を与える可能性があります。必要なときにだけ呼び出すようにしましょう。
• 配列のサイズ: total引数は配列の要素数を指定します。配列のサイズが不適切であると、関数は正確な結果を返さない可能性があります。
• 移動平均の設定: ma_methodとma_periodの設定が分析に適しているか確認してください。異なる方法や期間を試して最適な設定を見つけることが重要です。
• データの品質: 配列に格納するデータが信頼性があり、適切であることを確認してください。不正確なデータは誤った結果を導く可能性があります。
• 配列の内容: 配列の内容が適切に初期化されていることを確認してください。未初期化の値が含まれると、関数の結果に影響を与える可能性があります。
• シフトの扱い: shiftパラメータを使用して、過去のバーに対して標準偏差を計算することができます。過去のデータを分析する場合は、このパラメータを適切に設定してください。

このガイドラインに従うことで、iStdDevOnArray関数を正しく使用し、効果的なボラティリティ分析を行うことができます。