MQL4(MT4) iEnvelopesOnArrayの使い方

iEnvelopesOnArray関数は、MetaTrader 4 (MT4) プラットフォームのMQL4言語で使用される関数で、与えられた数値配列に基づいてエンベロープ (Envelopes) インディケータの値を計算します。エンベロープは、中央の移動平均線を基準として、上下に一定のパーセンテージでシフトした2本のバンドで構成され、市場のボラティリティとトレンドの可能性を示します。

関数の基本形式

double iEnvelopesOnArray(
   double array[],          // データ配列
   int total,               // 要素の総数
   int ma_period,           // 移動平均の期間
   int ma_method,           // 移動平均の計算方法
   int ma_shift,            // 移動平均のシフト
   double deviation,        // 偏差（パーセント）
   int mode,                // ラインインデックス（MODE_UPPER、MODE_LOWER）
   int shift                // シフト
);

• array[]: エンベロープ計算に使用するデータ配列。
• total: 配列内の要素の総数。
• ma_period: 移動平均を計算する期間。
• ma_method: 移動平均の計算方法（例: MODE_SMA、MODE_EMA）。
• ma_shift: 移動平均のシフト量。
• deviation: バンドの偏差（パーセント）。
• mode: 取得するバンドの種類（MODE_UPPERは上部バンド、MODE_LOWERは下部バンド）。
• shift: 指定した要素からのシフト量。0は配列の最後の要素を指します。

使用例

カスタムデータ配列に基づいて、14期間SMAと0.2の偏差を持つエンベロープの上部バンドの値を計算する例：

// カスタムデータ配列の例
double customData[] = {1.1200, 1.1250, 1.1230, 1.1280, 1.1300, 1.1350, 1.1380};
int total = ArraySize(customData); // 配列のサイズを取得

// 配列に対してエンベロープを計算
double upperEnvelope = iEnvelopesOnArray(customData, total, 14, MODE_SMA, 0, 0.2, MODE_UPPER, 0);

// 計算結果の表示
Print("The upper Envelope value of the latest element in the array is: ", upperEnvelope);

注意点

• 配列データの正確性: iEnvelopesOnArrayを使用する前に、配列が正しく初期化され、適切なデータが含まれていることを確認してください。
• データの長さ: 配列の長さ（total）は、計算に必要な期間（ma_period）以上である必要があります。そうでない場合、関数は期待する値を返さない可能性があります。
• 偏差の選択: 偏差の値は市場や分析の目的に応じて適切に選択する必要があります。適切でない偏差値は、誤ったシグナルを生じさせる可能性があります。
• 計算コスト: 特に大きなデータセットや多数の計算を行う場合、iEnvelopesOnArray関数の実行には計算コストがかかることがあります。リアルタイムトレーディングシステムでの使用には、この点を考慮する必要があります。